引き込まれる世界観|千の刃濤、桃花染の皇姫 感想
初めに
※ネタバレはなるべく控えましたがもしかしたら人によってはネタバレと感じることがあるかもしれません予めご了承ください。
たった今メインヒロインの宮国 朱璃ルート、いやこのゲームの本来のストーリーが終わったところだが、久しぶりに本当に想像以上に感動した。普通に涙出てた。
この感動が冷めないうちにここに自分の気持ちを書いておこうと思う。
個人的な感想
僕は以前穢翼のユースティアをプレイして衝撃を受けた。完成された世界観と丁寧な伏線回収、怒涛の展開に夢中になりながらモニターにしがみつき夜通しプレイしていた。そしてプレイ中の興奮とゲームが終わった時の虚しさは今でも思い出として残っている。
ユースティア以外にも、いや、ゲーム以外にも、何かに感動し心が動く瞬間というのは自分を忘れてただただ感情に身を任せる心地よさと何とも言えない高揚感があり忘れられない思い出となる。
そして千の刃濤、桃花染の皇姫には最初はそこまで期待していなかった。「ユースティアが売れたから同じようなシリアス系のファンタジー作品を出した」そんな印象だった。ネットの評価も「悪くないがユースティアには劣る」そんなレビューが多い印象だった。
しかし僕はこのゲームをプレイして思う。このゲームはユースティアに劣らないむしろ負けない。プレイヤーを感動させ何かを心に残してくれる名作だと確信した。
レビューなどでよく見るコメントとして、話の辻褄が合わないだの、このキャラクターが全然生きていないだの、ご都合主義だの、主人公モテすぎなど言われてもそんなことは関係ない。ただこのゲームをプレイして僕は感動して涙が出てきた、それだけなのだ。
このゲームにはプレイ中にプレイヤーをゲームの世界に引き込み、作中の登場人物に共感、同調させる力があったと僕は感じた。
まあともかく千の刃濤、桃花染の皇姫が僕の中の新しい名作になったことはわかっていただけたと思う。
僕自身も少し冷静になってきた、ここら辺でプレイ中に感じたこの作品の特徴を書いてみる。あくまで僕の感想であるので違うように感じる方がいるのもご了承願いたい。
特徴
派手な雰囲気とカオスな時代背景
まず感じたことは今までのオーガスト作品と比べてCGの雰囲気が派手、特に色遣いがいらびやかな印象だった。これまでのオーガスト作品は学園物を主に取り扱っていたからだと思うが、服や背景などのCGの色遣いはギラギラさせず、しっとりとした印象のものが多かった。
しかし今作はまるで弥生時代のように卑弥呼みたいな恰好をする皇族とドイツの軍服みたいな物を着た現代兵器の武装集団がいると言うなかなかカオスな世界観だ、そしてこの新しいCGの派手な雰囲気とカオスな時代背景はユースティアとは異なるオーガストさんの全く新しい作品への挑戦だと僕は感じた。
シナリオが単純に熱い
これは言葉の通りでシナリオが非常に熱い、もし僕が中学生の時にこのゲームをプレイしていたならば確実に武人になって刀と思わしき傘を振るっていたと思う。
派手なエフェクトや非常に凝った演出からの戦闘シーンの興奮は今までのエロゲにはなかったものだ。(あとやっぱ男なら刀とか兵器とかでドンパチするの嫌いな奴はいないよなぁ!)
生きているキャラクターたち
これは僕が考えるオーガストさんの特徴なのだが、シナリオという一つの話の中でキャラクターたちが動くのではなく生きているように感じるのだ。そしてエロゲはキャラクターを好きになればなるほどシナリオが引き立ちより自分を物語の世界に没頭させることができる。
キャラクター一人一人の特徴を明確にし、それに基づいた、行動、考え方、感情の移ろい方などが恐ろしいほど自然にできているのはオーガストという熟練メーカーの経験と作りこみによる賜物だと思う。
まとめ
僕はこのゲームで泣いたとあるが、それがなぜなのかレビューを書いていて分かった。
僕はこのゲームに登場するすべてのキャラクターたちが好きになっていたのだ。主人公もヒロインも悪役も全員が好きになっていた。
それぞれが自分の中の信念や守るべきものを信じ、武人となって忠義のため戦うさまは人としてうらやましく美しい精神だと思う。
そして宮国 朱璃が己の忠義がゆえに桃の花びらを散らすシーンをみて、僕は達成感、哀愁、虚無感、喜び、、、様々な感情が渦巻いて....気が付いたら画面の前で泣いていたのだ。
これを読んでいただいて方でまだ『千の刃濤、桃花染の皇姫』をプレイしたことがないすべての人に言いたい、、
プレイしよう。そして泣こう。