【感想】古き良き青春を送る物語|『アオナツライン』
『アオナツライン』の評価、点数
点数 77点
理由:夏と青春という王道の組み合わせへの原点回帰路線で雰囲気がめちゃくちゃ良かったが、海希ルート以外のシナリオが雑すぎた印象。あそこまで主人公とヒロインの関係を練ったストーリーなら変にルート分岐させずに一本道で出したほうがむしろ良かったのでは...?
『アオナツライン』の紹介
高校二年生の夏休みを満喫する仲良し五人組の王道青春ドラマ。
こういう青春物をやっていると、「こんな青春を送りたかった...」という気持ちと「こんなの現実じゃありえねーよwww」っていう気持ちが入り混じるのは僕だけじゃないはず...
このゲームが発売されたとき、2019年現在で良くこんな王道のべたべたな学園青春物を作ったなと思いました。
実際プレイし終わっての率直な感想としては「名作とは言えない出来栄え」と思うと同時に「改めて王道の良さを確認できる良作」であると感じました。
ストーリーの古臭さとは反対に、キャラクターを細かい動きや太陽の光などのアニメーション、波の音などのSEを使ったエロゲならではの表現方法はエロゲの進化を感じさせるものでした。
OP曲にKOTOKOを使うあたりでも「懐かしいエロゲ感」が出ていて、まるで古いエロゲをリマスターしているような原点回帰的な作品だと思います。
『アオナツライン』シナリオ感想
プレイしていてめちゃくちゃ良いなあって思うところがあって、主要キャラ5人の濃さと各キャラクターの距離感とかが凄く丁寧に書かれていてそこが素晴らしすぎると思いました。
達観たち3人グループが3人だけでいるときの「完全に気を許している親友」の距離感と、ことねと結がいるときの「仲は良いけど長くはない友達」の書き分けがマジですごい。
特に千尋のことねと結に対する友達の友達と仲良くしなければいけない気まずさとか見てるこっちまで気まずくなりますよ。
ストーリーについてですが、出だしは正直無理やり感あるかなあって感じが否めないです(笑)まあ後で各キャラクターの心情が詳しく描写されていて納得はまあまあできるけどう~んって感じ。
各キャラのルートに関しては、本当に海希ルートが神ですね。この泥臭い人間ドラマこそアオナツラインの書きたかった青春でしょう!
3人ともお互いを思うからこそ踏み出せない、決断できない、そんなやさしさと青臭さが積もりに積もってのあのラストシーンですよ、、、マジで泣ける。
確かに第三者視点から見てると海希さんの主人公に対する対応とか千尋とかもうちょっと言葉にしろよとかって思う場面があると思わなくはないですが、そこ含めての「青臭さ」だと思います。むしろこの遠回り感が青春物の醍醐味だと思うのですよ。
ことね、結ルートに関しては正直微妙~って感じです。このゲーム自体が海希、達観、千尋の3人の関係性が練りに練られているものなので、それらを使えない海希さん以外の選択肢がある事態でもう違和感バリバリって感じでした。
ストーリーも青春物というよりかは普通のエロゲだな~って感じで「アオナツライン」の良さがいまいち出ていなので微妙だと思いました。
『アオナツライン』感想 まとめ
ここまでストレートな作品は久しぶりで、逆に新鮮な気持ちで楽しめたゲームでした。ホントに海希ルートは神なので青春物に飢えている方や、まだプレイしていない人はぜひプレイしてほしい!
補足しておくと、結構ことねと結をDisっていていますが、キャラクター自体はめっちゃ好きです。結はかわいいというかあのキャラからの立ち回りが神の物語の最重要キーパーソンでカッコいいですし、ことねはもう普通に萌えるし好きです。
ホントいい意味でも悪い意味でも、1つのルートにすべてをかけてしまったゲームだなあと思いました。