CGが綺麗すぎるエロゲ|アマツツミ【感想】

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ネタバレ注意

 

評価

点数:83点

 

タイトルにもある通り、いままでのエロゲの中でも最高峰クラスの綺麗なCG、演出をしている作品だったなーというのが、終わってからの最も強烈な印象。

やっていることは動きもなにもない、ただの電子紙芝居であるノベルゲームで、ここまでプレイヤーを世界観に引きずり込み、動きを想像させることができるCGや演出を作り上げたのはお見事の一言。

 

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シナリオの質も良好で、主人公が神の末裔で人とコミュニケーションを取るために里を降りるという導入は非常に面白かったし、先の展開も気になりすぎる良い導入だった。

このゲームは事実上、ほたるルート一本道であるが、そのほたるルートの出来が非常に良かった。詳しい感想は下で、

 

この作品の欠点としては、ほたるルート一本道である以上、他ヒロインの扱いが雑になる点であるが、無理に全員のHシーンを入れる必要性は皆無であると感じられたし、そのせいで主人公がただのヤリ〇ンにしか見えないのが辛い。一応里の暮らしで世間知らずであるという設定があるが、もうちょっと何とかできたんじゃないかなー。

後はいくらあずきさんが許してくれたとしても識部家を言霊でだまして偽りの家族関係を築くことに普通に嫌悪感を感じていたので、あの家はこころ編が終わったらさっさと退散してほしかったです。

 

CGの出来は言わずもがな、システム回りの出来もさすがパープルソフトというべきか便利な機能は一通りそろっていて快適なプレイが楽しめます。地味だけどシステム回りは非常に重要な要素です。

 

シナリオ(ほたるルート)感想

このゲーム=ほたるルートと言っても過言ではないため、ほたるルートに絞って感想を書きます。

 

まずは、ほたる可愛すぎです。普段しっかりしているキャラが主人公の天然ジゴロっぷりに翻弄されて照れる流れは見ていて飽きませんでした。恋愛関係抜きにしても普通に相性のいいコンビだったなあと。

 

序盤から明言していた通り、いずれ主人公が「怒り」を覚えて人を殺す可能性があるとほたるが示唆していたため、何となくストーリーは想像できてしまったのが惜しかったですが、ほたる2週目EDの「怒り」も人の感情であると受け入れる主人公は「人として」素晴らしい態度、判断であったと思いますし、自分にも感じるものがありました。

ただもうちょっと主人公を煽ったほうが面白くなりそうだと感じましたね、それこそプレイヤー側も怒りを覚えるぐらいの外道っぷりを発揮してほしかった...2週目とか3回ぐらい黒ほたるさんのお見舞い言ってデレ期に入るチョロインっぷりでしたからね。ちょっと悪役が安いかな~。

 

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このゲームをプレイして思ったのは、人の心を題材に挙げる作品には通常、人の中の闇、すなわち悪の感情が人の本質である考えである性悪説が示唆される場合が多いのですが、このゲームではほたるルートに限らず人の本質が善である考え、性善説にスポットをあてていて面白いと感じました。

ほたるルートではオリジナルのほたるが悪の感情をもった人として書かれていますが、最終的には偽のほたるの感情を本当は持っていることが最後のシーンで示されていますし、「オリジナルのほたるは偽物」と言う言霊を最後に使用するあたり、人の本性は善であるということを伝えたいのかな~なんて深読みしてます。

 

響子ルートで言霊で人っぽい物を作ることが可能であるという伏線と、ほたるに言霊が効かない理由をつなげる伏線回収は非常にうまいと思いましたし、ほたる1でも2でも主人公が「悪の感情もまた人のものである」と、違う結果でも同じ結論に達するストーリーも非常にうまいなーと、普通に読み物としても面白いゲームでした。

 

アマツツミ【萌えゲーアワード2016 主題歌賞 受賞】

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