【感想】退廃的な世界観|PP -ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞
ピアニッシモ 評価
点数:80点
1936年(昭和11年)の二・二六事件後の日本が舞台であり、背景に使われている建物や登場人物の服装などから、戦前の薄暗い日本の雰囲気が良く出ていて、それだけでもう自分好みです。
キャラの掘り下げ、謎解き含めたシナリオの質は、正直前作の「カルタグラ」ほど完成度が高いわけでは無かったのですが、イノグレらしいグロとエロスが軸の物語を十二分に味わえる良作だと思います。
ピアニッシモ 紹介
ひょんなことから主人公が連続殺人事件の犯人に仕立て上げられてしまったので、なんやかんや仲間と一緒に真犯人を探すことになる話。
雰囲気は終始シリアスかつアダルティな雰囲気。カルタグラ好きの自分としてはたまらない世界観でした。
そしてBGMが非常に凝っていて素晴らしい。
本格的に作り込まれたJAZZが本作のアダルティな雰囲気にピッタリで場面を盛り上げていると感じました。
プレイ時間は比較的短く15時間ほどで完クリできると思います。
ピアニッシモ シナリオ感想
いつものイノグレより作中の謎は複雑ではなくて、先の展開が読みやすかったなと思います。
ですので、黒幕の存在や事件の真相に関してはもう少しミスリードなどを張り巡らせた方が面白かったんじゃないかなと。
登場人物同士の掛け合いやぶつかり合いに関しては流石の面白さであり、ここがイノグレの魅力の一つでありますよね。
ただ「人の狂気」の部分は描いてはいるものの前面には押し出されていない感じで、黒幕の同期も分りはするし弱くはないけれどもう少し狂った演出をしても良かったと思う。
どこかで見た他の方の感想で「カルタグラはミステリー、ピアニッシモはサスペンス」と言っていた方がいましたが、非常に的を得ている言葉だなあと。
他には、序盤にメインヒロインが殺されるという衝撃的な展開で一気に物語に引き込まれますし、久遠のようなミステリアスなキャラクターたちのおかげで「ダレる」シーンがあまりなかったというのも素晴らしい。
魅力的なキャラクターや時代背景を思わせるストーリーや劇中で登場する二二六事件のような現実で起こった出来事を流用することで、戦前の日本のダークな雰囲気を徹底して作っているあたりも良い。
ここまで褒めちぎっていますが、カルタグラや殻ノ少女などと比較すると、シナリオのボリュームや落ち含めて「劣っている」というのも正直思っています。
しかし、自分はこのゲームを「雰囲気を楽しむゲーム」として楽しんでいましたので、その点でいえば100点をつけてもいいゲームだと感じました。
言い換えれば、ただただイノグレの作る世界観が好きってことです(笑)
ピアニッシモ まとめ
ざっくり言えば「雰囲気が満点なゲーム」で「シナリオはカルタグラに劣る」といった評価ですね。
あとはこのゲームが発売した年代だからこそできる、過激なゴア表現などは今の時代だとできないので、グロゲー好きならチェックしておくべき作品なのかな。
ゲームをやっていない人でも、BGMは一聴の価値ありなので是非youtubeなどで聴いてみることをオススメします!